人間関係に悩む人に!
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5つのエピソード
さて、今からご紹介するのは、わたしが体験した5つの出来事です。あなたは、そこから何を感じるでしょうか?
第1話 謝った上司
今からずいぶん前の話になります。わたしが役職でもなんでもなく一担当者でいたときに、少々毛色の変わった(いわゆる変人ですね)人が課長でした。
わたしが、ちょっとしたきっかけで、得意先の人と電話で口論になりました。
上司は怒りました。
「何を言った?すぐに処理しろ。すぐに謝りにいけ!」と・・・。
そのとき、口論の元を作ったのは相手方で、向こうが一方的に無理難題を言ったのです。それを知っていた直属の上司は、わたしを庇いました。
「○○君は悪くない!悪いのは向こうだ!」
「何?君まで逆らうのか。ばかも〜〜ん!」
今度はわたしの上司と課長がケンカです。収拾がつきません。どうなることかと思っていたら、課長は怒ったまま、自分の席に戻りました。
翌日のことです。
朝の始業時から課長がわたしの係の席にいるではありませんか。
「ああ、また叱られるのか・・・・・」
わたしは、そう思いました。
ところが・・・・・。
「○○君昨日はすまなかった。事情も聞かずに激怒してしまった。申し訳ない」と言って、課長がヒラのわたしに頭を下げたのです。
変人で通っていた課長が、自分に頭を下げているのです。
わたしの直属の上司である係長も驚いていました。
「君がケンカをした、あそこの会社の担当者とは、わたしはよく知った仲だ。電話をかけて謝ったら、向こうの言い分がおかしいのに気がついた。○○くんが正しかったんだと気づかされたよ。申し訳ない」
続けて、そう言った課長は、いつものように飄々として、自分の席に戻っていつも通りの仕事についたのです。
第2話 孤独なトップ
さて、第2話は、社長の登場です。
社長と直接話をするなどと言うことは、下っ端の社員にとって、滅多にあるものではありません。
あるプロジェクトのスタッフをしていたわたしは、社長にプロジェクトの説明と稟議書を持って社長室に入ることになったのです。それは、たまたま、そのプロジェクトのことにわたしが一番精通していたからで、特別な理由はありませんでした。
一通りの説明を終えた後、社長は稟議書を眺めています。口も挟めませんから黙って立っていました。
社長は稟議書から目を離し、
「分かりました。これで進めてください」と言います。
「詳しいご説明はよろしいのですか?」
「結構です。部下を信頼できない者に社長は勤まりませんよ」と優しく笑った社長でしたが、なにか一抹の寂しさを抱えているような雰囲気でした。
「では、失礼いたします」と言って、社長室を辞そうと思っていたときに、社長が後ろから声をかけました。
「きみ?この会社は働きやすいかい?働いてやりがいはあるかい?」
「えっ??」と心の中で答えを探しているところに畳みかけてきます。
「最近、業績が伸びていない。きみのプロジェクトが成功すればいいね。ちょっと、そこに座って話をしませんか?」
社長は部屋の隅にある応接セットに、わたしを招きました。
社長:「きみは、自分の仕事に誇りを持てますか?」
わたし:「さあ、そういうことは考えたことがありません」
社長:「そうですか・・・・、わたしは経営者として、何百人の社員の生活と将来を保証しなければなりません」
わたし:「はあ」
社長:「重役や管理職がいるが、彼らもその位置でそれぞれの悩みを持っているでしょう。しかし、あまりにも、わたしへの報告は偏りがある。いいことは、情報として入ってくるけれど、何か不都合なことがあると、なかなか報告してもらえない。そういう不都合なことの対応が、会社としては一番大事なんです。そう思いませんか?」
わたし:「そういうものかもしれません」
社長:「きみたちが働いている最前線で何が起こっているのかを知らなければ、自分は経営者として、失格だが、本音というものはなかなか出てきませんね」
そう言った、社長の目は心なしか寂しそうに見えました。
第3話 お得意先での出来事
これは、営業の駆け出しの頃、先輩の営業マンとお得意先で、商談をしていたときのことです。
先輩にとっては、わたしに営業のノウハウを教え込もうという意図もあったのかもしれません。
先輩は、商品の説明から値引き、その他いろいろな条件を提示して商談を進めていました。手際はよいとはいえませんでしたが、実直な先輩の人柄が滲み出ていて、先方も乗り気のようです。
先方は、時折、話をしている先輩ではなく、わたしの方も見て、話を聴いていました。わたしは、挟む言葉もないので、黙っていたのです。
しかし、先方の反応をしっかり見ようと、真剣に相手の様子を見ていたように思います。
「わかった。それじゃお願いしよう。ただし・・・・」
先輩は怪訝な顔をしています。「ただし・・・・」という言葉が何を意味していたのか。
「これは、きみがやってくれないか?」
先方はわたしの方を見てそう言いました。
先輩がフォローします。
「いや、○○くんは入社間もないので、こういう大きな案件は・・・・」
「いいんだ。わたしは彼にやってもらう。それで契約する」
「・・・・・・・・」
いきなりわたしを指名され、自分がどうしていいのか分かりませんでした。
「どうだ?できるだろう?」
「あ、はい、やります」
「うん、それでいい。商談成立だ」
先輩としてはノルマの1月分くらいの案件です。面白いはずがありません。
しかし、温厚な人でしたので怒ったりはしませんでしたが、1月分のノルマが自分の成績にならないということはショックなはずです。
2月後、その商談の成果は完成という形で終わりました。集金した2,000万円の手形を受け取って、わたしの仕事が完成しました。
第4話 先手を打つ上司
先手を打つ上司とは、なにも、先回りして罠にかけるとか、そういうことではありません。
わたしが、調度といういわゆる物品の調達や購入という部署にいたときに、
Aさんという役員は赴任してきました。そこでの地位はナンバー2です。
調度というのは、会社内の備品や消耗品の調達、それらの管理をするところです。いわば、会社内の建物や物品を管理するところですから、壊れていたら修繕しますし、足りないものがあれば買うのが仕事です。
Aさんは、単身赴任で朝早くに出勤します。
わたしは遅れること30分ぐらいに出勤していたでしょうか。
ある日、Aさんがわたしを呼びました。
「○○くん、きみの仕事は何だ?」
「はあ、調度ですが・・・・」
「第2営業課のドアの建て付けが悪いよ。見てきてごらん」
わたしの正直な感想は・・・「やられた〜〜」でした。
本来はわたしが巡回して発見し、速やかに修理すべきところでした。
その後もそういうことが続きました。
「ボールペンの芯の赤が残り少なくなっていたよ、補充しておかないといけないね」
「ロッカー室のロッカーの上が埃だらけだね」
よく考えると、Aさんは、わたしより早く出勤した30分間に、会社内のあらゆるところをチェックしていたのです。
これは小姑のいじめではありません。
わたしが本来やるべきことを、Aさんから教わっただけです。
第5話 正直か成績か?
またまた、営業の話に戻ります。
ある支店で、全国展開している商品の打診をしてきた人がいました。大きな組織の役員の方でした。
今はライバル社の製品を使っているとのことでした。しかし、その製品単価は、わたしの会社の製品単価より1.5〜2倍高かったのです。
「不景気な時代になってしまいましたね。今はA社の×××サービスを使っているのですが、御社の△△△サービス安いでしょ?」
「はい、A社様の製品から比べると大きいときには半額にはなります」
安さを売りにしたセールスをかければ、商談は成立しそうでした。
顧客:「じゃ、御社の△△△に切り替えれば、経費が節減できますね」
わたし:「はい、確かに。おそらく半分とまではいかなくても、節約になります」
普通、このまま商談が成立してしてしまいますね。
しかし、商談は成立しませんでした。
わたし:「この製品をどこでお使いになるのですか?」
顧客:「そりゃ、導入するとなれば、全国になる。北海道から九州まで全域になりますね」
わたし:「そうですか・・・・・」
顧客:「何か問題でも?」
わたし:「いえ、この商品は消耗品の交換が定期的に必要で、それも慣れたサービスマンが交換しないと、故障するかもしれません」
顧客:「それは、A社の製品でも同じですよ」
わたし:「申し訳ありません。弊社には九州と北海道に拠点がないのです。サービスマンを、それぞれ中国地方からと東北地方から派遣すると、出張代がかかります。そこまで計算に入れると、A社のサービス網からして、割高になるかもしれません」
顧客:「そうなんですか・・・」
わたし:「申し訳ありませんが、ランニングコストまで計算した見積もりを出させていただきます。それからのご検討でいかがでしょうか」
顧客:「分かりました。では、見積を郵送してください」
わたし:「はい。早急に作成しましてお届けします」
結果は、見積を出した時点で、A社の方が10%くらい割安でした。
その見積を出せば、A社からの乗り換えはほぼないでしょう。
わたしは、その見積を郵送して、「たぶん、オーダーはこないだろうな」と確信しました。
不景気な時代で、どこの会社も、経費の削減が課題になっていたときですからなおさらです。
しかし、わたしは、嘘を言ったり、ごまかしたりすることはせず、営業をあきらめました。なぜなら、後でクレームになることを恐れたからです。
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